福祉施設のベテラン職員には見えない歴史があるのかもしれない
福祉施設で働いていると、長く同じ場所で働き続けているベテラン職員の方と関わる機会があります。
インターネット上では、時々「お局さん」という言葉で語られることもあります。
実際に検索してみると、
- プライドが高い
- 否定してはいけない
- 距離を取った方がいい
そんな内容の記事も多く見かけました。
もちろん、本当に関わりが難しい方がおられる職場もあるのかもしれません。
世の中には性格的に合わない人もいますし、どの業界でも人間関係の難しさはあります。
ただ、自分は少し違う見方をしています。
長く同じ施設で働いている方ほど、自分たちには見えていない歴史や苦労を経験してきている可能性があるのではないか。
最近は、そう考えることが増えました。
長く働いている人ほど、見えない経験を積み重ねている
福祉の仕事は、支援を必要とする利用者さんと日々関わる仕事です。
利用者さんそれぞれに生活背景があり、障害特性があり、必要な支援も異なります。
もちろん楽しいことや嬉しいこともたくさんあります。
ですが、その一方で、とても大変な支援に向き合わなければならない場面も少なくありません。
自分自身も過去に、利用者さんから暴力を受け、顔面を何度も殴られたことがありました。
その方は、幻聴や妄想を現実のものとして認識してしまう状態があり、支援がとても難しい利用者さんでした。
他の利用者さんに暴力が向くこともあれば、職員への暴言や被害妄想からくる訴えが続くこともあり、その方と関わる日常は、自分を含めた職員全体にとって大きな負担になっていました。
正直に言えば、その頃のことは今振り返っても強い記憶として残っています。
今見えている平和だけが、その職場の全てではない
その利用者さんは、現在は退去されています。
もし、その後に新しく入職された方がいたとして、
「この施設は平和で、和気あいあいとしていて働きやすい職場ですね」
と言ったとします。
もちろん悪意はありません。
でも、自分がその立場なら、少し複雑な気持ちになるかもしれません。
なぜなら、その平和な環境になるまでに、多くの職員が大変な支援を積み重ねてきた歴史があるからです。
今見えている穏やかな空気だけが、その施設の全てではない。
その背景には、見えていない積み重ねや苦労があるかもしれない。
最近はそう考えるようになりました。
ベテラン職員の方を、今だけで見ないようにしている
だから自分は、昔からその施設で働いておられるベテラン職員の方に対して、できるだけ「今見えている姿だけ」で判断しないようにしています。
- 少し壁があるように見える人
- 厳しく見える人
- 話しかけづらく感じる人
そういう方もおられるかもしれません。
でも、その方が、
- これまで何を見てきたのか
- どれだけ利用者さんと向き合ってきたのか
- どれだけ大変な場面を経験してきたのか
そこまでは、新しく入った人には見えません。
もちろん、長く勤めているから偉いという話ではありませんし、新人が悪いという話でもありません。
ただ、自分たちが知らない歴史がある可能性は忘れないようにしたいと思っています。
理解しようとする姿勢は大切なのかもしれない
その施設の歴史や苦労を、入職してすぐに理解することは難しいと思います。
正直、自分も全部は分かっていません。
ただ、
- 話を聞く姿勢
- 背景を知ろうとする姿勢
- これまで積み重ねてきた経験を尊重する姿勢
そういうものは、とても大切だと思っています。
福祉施設で長く働き続けることは、簡単に真似できることではありません。
だからこそ、自分はそのことに敬意を持っていたいと思っています。
福祉施設で長く働いている方々を見ていると、人の痛みを理解しようとする姿勢を持った方が多いように感じます。
自分が感じている福祉職員の特徴については、こちらの記事でも書いています。




