皆さんが好きな中華料理は何ですか?
現代の日本では、色々な美味しい中華料理を街中で気軽に楽しむことができます。
例えば、普段立ち寄るコンビニで肉まんが販売されていることは、もはや現代の日本では当然のことだといえるでしょう。
コンビニは日本中の至る所で存在しているため、肉まんを普段よく食べる人は多いと思います。
しかし、肉まんという中華料理がどのような経緯で日本に浸透したのかなど、肉まんについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
この記事を読めばわかること
- 肉まんがどのような食べ物なのか
- 肉まんの歴史
- 肉まんと豚まんの違い
- 冷えた肉まんを美味しく食べる方法
- 豚肉と玉ねぎを使った肉まんの作り方
- 日本に存在する代表的な肉まんメーカー
本記事では、肉まんに関する様々な情報をお届けします。
肉まんとは豚肉の餡が入った中華まんのこと
肉まんとは小麦粉を元に作った生地に肉の餡を包んだ料理で、中華まんの一種です。
肉まんの具材
- 豚肉
- 玉ねぎ
- タケノコ
- シイタケ
これらの具材をみじん切りにして、調味料と共に煮たものを餡として使用することが一般的。
豚肉以外にも、牛肉や鶏肉が用いられることもありますが、肉まんといえば、基本的に豚肉の餡が入った中華まんのことを指します。
肉まんの皮の材料
- 小麦粉
- ベーキングパウダー
- 砂糖
- 酵母
- 水
肉まんの皮はこれらの材料を混ぜ合わせ、発酵させて作ります。
このようにして作った皮の中に、様々な餡を入れて蒸し器などで蒸すことで完成させる饅頭のことを総称して中華まんと呼びます。
多彩な種類が存在する中華まん
日本発祥の中華まんには様々な種類が存在しており、餡に使われる具材は実に多彩。
近年では、ローソン、セブンイレブン、ファミリーマートなど、コンビ二が注力してオリジナルの中華まんを開発しています。
肉まん
豚肉と玉ねぎ、タケノコ、シイタケなどの野菜を具材とした餡を入れることが一般的な中華まんです。
その他に使われる具材には、フカヒレ、貝柱、オイスターソースなどが挙げられます。
あんまん
肉の餡の代わりに小豆の餡が入った中華まんです。
使われる小豆餡には、つぶあん、こしあんの2種類が使われることが多く、東日本ではこしあん、西日本ではつぶあんが好まれる傾向にあります。
チャーシューまん
チャーシューまんは、ダイス状に細かく刻んだチャーシューを中華風に甘辛く煮たものを餡とした中華まんです。
ピザまん
豚肉、イタリア風のトマトソース、チーズなどを餡とした中華まんです。
ピザまんを最初に販売したのは日本の肉まんメーカーの井村屋で、発売当初は「ピザ肉まん」という名前で販売されていました。
カレーまん
肉まんに用いられる餡をカレー風味に味付けしたものを餡とした中華まんです。
ターメリックや着色料を用いて黄色く仕上げられたカレーまんの皮からは、中にカレー風味の餡が入っていることを想像させてくれます。
お惣菜系の中華まん
- 豚角煮まん
- チーズまん
- 海鮮まん
- グラタンまん
- コーンポタージュまん
- チキンまん
- てりやき肉まん
など
スイーツ系の中華まん
- チョコレートまん
- カスタードクリームまん
- キャラメルまん
- プリンまん
- いちごジャムまん
- 焼き芋まん
など
コンビニが独自で開発した中華まんは期間限定で販売されることが多く、開発された時期以外では食べることができない中華まんがたくさんあります。
肉まんの歴史を学ぼう
肉まんが生み出されたのは、中国の三国時代。
三国志で有名な蜀の諸葛亮が肉まんを作らせたのが始まりだといわれています。
この時代の中国では、異常気象で起こった川の氾濫を鎮めるために人の頭を供えるという儀式が行われていました。
しかし、異常気象が起こるたびに人の頭を供えることは犠牲が大きすぎるため、小麦粉や豚肉などで人の頭に似せて作った饅頭を作り、それを代わりに供えることで無事に収めたといいます。
日本に肉まんが広まったのは大正4年~昭和初期とされる
日本に肉まんが広まったきっかけとなる説には諸説があり、新宿にある中華まんの名店である中村屋が広めたという説と、神戸南京町の老祥記の先代が広めたという説が有名です。
新宿 中村屋の説
当時の中村屋の店主が中国に赴いた際に、包子(パオズ)という豚肉などの具が入った饅頭と出会いました。
これを中村屋の店主は、日本人向けにあっさりとした味付けに改良し、1927年に「支那饅頭」として販売したところとても評判がよく、日本に肉まんが広まったとされています。
神戸南京町 老祥記の説
神戸の南京町にある老祥記の店主が、1915年に「豚饅頭」を販売し始めたことで、日本中に広まったという説があります。
老祥記の初代店主が、中国天津地方の包子(パオズ)を日本人向けにアレンジして生み出したものが「豚饅頭」で、この商品は「元祖豚饅頭」として販売されました。
現代の日本では手軽に肉まんを食べることができる
これらのきっかけを元に、肉まんは中華料理店や売店で販売されるようになったため、日本各地に広まりました。
近年では、家庭でも手軽に肉まんを食べられるように、チルドや冷凍食品などの商品が様々な企業から販売されています。
肉まんを家庭で一から作るとなれば、生地を発酵させたり蒸し器で蒸したりと、調理をするのに手間がかかるため、このような商品はとても便利です。
また、現代では全国各地に存在するコンビニのカウンター商材として肉まんが販売されるなど、人気のテイクアウトメニューとなっています。
11月11日は豚まんの日
「11」という数字が並んでいる様子が豚の鼻の形に見えることから、11月11日は「豚まんの日」とされています。
南京町があって肉まんが有名な神戸は、11月11日に「KOBE豚饅サミット」を開催することで有名です。
肉まんの食べ方は地域によって違いがある
肉まんにつけるものといえば「からし」や「酢醤油」が定番。
しかし、日本では何もつけないことが当然な地域と、からしや酢醤油をつけて食べることが当然の地域が存在し、うどんだしの味の濃さが地域によって違うように肉まんの食べ方も地域によって違いがあります。
- 東日本:何もつけずに食べる
- 西日本:からしのみ、酢醤油のみ、もしくはからしと酢醤油の両方をつけて食べる
各地のコンビニでは肉まんを買う地域によって、からしや酢醤油を添えるコンビニと、何も添えないコンビニがあります。
肉まんと豚まんは同じ食べ物である
コンビ二などで販売されている肉まんには、「肉まん」と表記されている商品と「豚まん」と表記されている商品があります。
このような表記の違いを見たとき、肉まんと豚まんは違う食べ物だと思ってしまう人もおられるかもしれません。
しかし、肉まんと豚まんは両方とも豚肉を餡の具材として使用した中華まんのことであり、同じ食べ物です。
では、なぜ同じ食べ物に対して複数の呼び方があるのでしょうか。
関西の食文化ではお肉といえば牛肉の印象が強い
豚肉を餡の材料として作った中華まんのことを「肉まん」と呼ぶ地域が圧倒的に多いですが、関西の一部地域では「豚まん」と呼ばれることがあります。
その理由は、関西には神戸牛や近江牛など牛肉の産地が多いため、関西ではお肉といえば牛肉という印象の方が強く、関西で豚肉入りの中華まんを「肉まん」という名前で販売してしまうと牛肉入りの中華まんと誤解される恐れがあるからです。
肉まんが全国的に広がった当初、関西で豚肉入りの中華まんを販売する際に誤解が生じないように「豚まん」と称して販売されたのが始まりだといわれています。
冷えた肉まんを美味しく食べる方法を紹介
肉まんを少しでも美味しく食べるためには、温めるときにひと手間を加えることが重要です。
チルドの中華まんを温める場合や、コンビニで買った肉まんが冷めてしまったときに使える簡単な方法を紹介します。
湿らせたキッチンペーパーを使う方法
- 中華まんをお皿にのせる
- その上に、少し湿らせたキッチンペーパーをのせる
- 緩めにラップをかける
- 5秒~10秒ほどレンジで温める
温めすぎると表面が柔らかくなりすぎるため、短い時間を設定することが重要。湿らせたキッチンペーパーを使って蒸しなおすことがポイントです。
マグカップを使う方法
- 中華まんが中に落ちないサイズのマグカップを用意する
- マグカップの中に少量の水を入れる
- マグカップの上に中華まんをのせる
- その状態で、レンジを使って10秒ほど温める
この方法がおすすめな理由は、キッチンペーパーやラップを使わずに温めることができることです。マグカップに入れた水が水蒸気となり、蒸し器で調理したような状態に仕上げることができます。
蒸し器で温めることが理想的ですが、時間がかかりすぎてしまうことが嫌な人には今回ご紹介した方法がおすすめです。
豚肉と玉ねぎのシンプルな肉まんの作り方を紹介
豚ミンチと玉ねぎと調味料さえあれば、美味しい肉まんの具を作ることができます。
自宅で簡単に作ることができるシンプルな肉まんのレシピをご紹介しましょう。
肉まんの皮の材料(4つ分)
- 薄力粉:110g
- 強力粉:40g
- ベーキングパウダー:小さじ1杯
- ドライイースト:小さじ1杯
- 砂糖:大さじ3杯
- サラダ油:小さじ1杯
- 塩:少々
- お湯 (30℃程度のもの):70g
餡に使う具材
- 豚肉 (ミンチ):100g
- 玉ねぎ:80g
- 醤油:小さじ2杯
- 砂糖:小さじ1杯
- ごま油:小さじ2杯
- 片栗粉:小さじ2杯
- 中華スープの素 (ウェイパーなど):小さじ1杯
- 塩コショウ:少々
作り方
- 皮に使う材料をボウルに入れる。
- お湯を少しずつ加えながら、粉のかたまりがなくなるまでこねる。
- こねた皮の材料にラップをして、室内温度で15分ほど置く。
- 調味料類(豚肉、玉ねぎ以外の具に使う材料)を全て混ぜ合わせる。
- 玉ねぎをみじん切りにし、豚ミンチと混ぜる。
- 皮と具を個数分(4つ)に分ける。
- クッキングシート(10cm×10cm程度の大きさ)を個数分用意する。
- 手で皮を伸ばし、皮の中心に具を置いて包む。
- 肉まんをクッキングシートにのせる。
- 肉まんをクッキングシートごと蒸し器にのせ、中火で20分ほど蒸す。
中華まんの製造メーカー7社と代表的な中華まんを紹介
現代の日本で肉まんを手軽に楽しめるようになったのは、日本の肉まんメーカーの並々ならぬ努力があってこそ。
ここからは、日本を代表する肉まんメーカーと代表的な商品をご紹介します。
井村屋
井村屋は日本のお菓子メーカーで、冷凍菓子、和菓子、中華まんの製造や販売などを主な事業としている会社です。
事業の中心が小豆を使用したお菓子作りで、有名な商品には「あずきバー」があります。
肉まんやあんまんも有名で、冷凍やチルドの中華まんはもちろんのこと、店頭で肉まんを販売するためのスチーマー用中華まんなども用意されています。
井村屋の中華まんラインアップ
- 肉まん
- あんまん
- ピザまん
- カレーまん
- ゴールド肉まん
- ゴールドあんまん
- ゴールドピザまん
新宿中村屋
明治34年にパン屋として創業された新宿中村屋は、菓子の製造や販売の他にもレストランの開設など、幅広い事業展開を行っています。
新宿中村屋の肉まんがきっかけとなって日本に肉まんが広まったという説があるほど、新宿中村屋は全国的に有名な肉まんメーカーです。
新宿中村屋の中華まんラインアップ
- 天成肉饅
- 天成餡饅
老祥記
老祥記は神戸南京町にある豚饅専門店です。
中国の包子(パオズ)という饅頭を日本人向けの味付けにアレンジした「豚饅頭」が有名で、日本初の豚まんといわれています。
元祖豚饅頭として全国的に有名なお店で、毎日行列ができるほど繁盛しているお店です。
老祥記の中華まんラインアップ
- 元祖 豚饅頭
551蓬莱
551の豚まんで有名な551蓬莱は、関西限定の肉まんメーカーです。
551蓬莱の店舗は全て、自社工場から150分圏内に位置しているため、常に最適な発酵状態の具材を各店舗に配送することができます。
551蓬莱は鮮度の良い材料を使った肉まんを提供し続けるために関西限定で営業をする、肉まんに対する強いこだわりを持った肉まんメーカーです。
551蓬莱の中華まんラインアップ
- 豚まん
- 叉焼まん
- あんまん
山崎製パン
山崎製パンは日本最大規模の製パン会社で、食パン、調理パン、和菓子、洋菓子、麺類など、様々な商品を製造しています。
日本だけでなくメキシコにも拠点を置いて事業を展開するなど、世界的にも有名。
山崎製パンは肉まんも製造しており、電子レンジで温めるだけで手軽に食べることができる具たっぷりシリーズの肉まんが有名です。
ヤマザキパンの中華まんラインアップ
- 具たっぷり肉まん
- 具たっぷりあんまん (つぶあん)
- 具たっぷりあんまん (ごまこしあん)
- 具たっぷりピザまん
- 具たっぷりボリュームタイプカレーまん
- 具たっぷりボリュームタイプチーズ肉まん
- 具たっぷりボリュームタイプそば飯まん (オタフクソース使用)
神楽坂五十番
神楽坂五十番は東京都新宿区神楽坂にある肉まん、点心専門店です。
創業当初から伝わる独自の製法で作られる肉まんは、肉まん職人の手によって一つ一つ手包みで仕上げられます。
国産の豚肉などの厳選された食材のみを使用した具材たっぷりの肉まんは、大変人気です。
神楽坂五十番の中華まんラインアップ
- 肉まん
- 中肉まん
- あんまん
- 五目まん
桃太呂
桃太呂は新鮮な長崎県産の豚肉のみを使用する、長崎の豚まん専門店です。
職人の手によって丁寧に仕上げられる豚まんは、小ぶりなサイズにもかかわらずジューシーで食べ応えのある仕上がりとなっています。
桃太呂の中華まんラインアップ
- 長崎ぶたまん
まとめ
以上、本記事では肉まんとはどのような食べ物なのかということを中心に、肉まんに関する様々な情報をお伝えいたしました。
今回お届けした7つの内容
- 肉まんとは豚肉の餡が入った中華まんのことで、関西の一部地域では豚まんと呼ばれることもある。
- 現在日本で食べられている肉まんは、中国の包子(パオズ)という饅頭を日本人向けの味付けにアレンジしたもので、新宿中村屋や神戸南京町老祥記がきっかけとなって日本中に広まったとされる。
- 肉まんメーカーやコンビニなどが独自の中華まんを開発して販売してくれていることにより、スーパーやコンビニで手軽に様々な中華まんを楽しめるようになった。
- 中華まんは日本で人気のテイクアウトメニューとなっている。
- 東日本では何もつけずに食べるのが主流。西日本では酢醤油やからしをつけて食べるのが主流。
- 豚肉と玉ねぎを具材にするだけで、美味しい肉まんを作ることができる。
- 日本の代表的な肉まんメーカーには、井村屋、蓬莱、桃太呂など様々な企業が存在する。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。