今回は、中国黒酢を使って油淋鶏(ユーリンチー)を作ってみました。

油淋鶏は、揚げた鶏肉に醤油ベースのネギダレをかけて食べる中華料理です。

今回ネギダレに使用したのは、中国黒酢のひとつ「山西老陳酢(さんせいろうちんす)」。

普通のお酢でも作れる油淋鶏ですが、中国黒酢を使うとどんな味に仕上がるのか、実際の調理工程や食べてみた感想とあわせて紹介します。

また、油淋鶏はどこの国の料理なのか、発祥や読み方などについても調べました。

中国黒酢を使った油淋鶏に興味がある方や、油淋鶏がどんな料理なのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

中国黒酢を使って油淋鶏を作ってみた

ここからは、実際に中国黒酢を使って油淋鶏を作っていきます。

今回使用した中国黒酢は「山西老陳酢(さんせいろうちんす)」です。醤油や長ネギなどと合わせてネギダレを作り、揚げた鶏もも肉にかけて仕上げました。

まずは、今回使用した材料から紹介します。

油淋鶏作りの材料

食材 (2人前)

  1. 鶏もも肉 : 200g
  2. 小麦粉 : 大さじ3杯
  3. 片栗粉 : 大さじ3杯
  4. サラダ油 : 適量

鶏もも肉の下味用調味料

  1. 醤油 : 大さじ1杯
  2. 酒 : 大さじ1杯
  3. おろししょうが : 小さじ1/2杯
  4. おろしにんにく : 小さじ1/2杯
  5. ごま油 : 小さじ1/2杯

油淋鶏のタレ

  1. 長ネギみじん切り : 1/2本分
  2. 醤油 : 大さじ2杯
  3. 山西老陳酢 : 大さじ2杯 (普通のお酢でもOK)
  4. 砂糖 : 大さじ1杯
  5. ごま油 : 小さじ2杯
  6. おろししょうが : 小さじ1/2杯
  7. おろしにんにく : 小さじ1/2杯
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今回は、ネギダレに一般的なお酢ではなく、中国黒酢の「山西老陳酢」を使用しました。

山西老陳酢を使った油淋鶏がどのような味に仕上がるのか、ここから実際の調理工程を紹介していきます。

油淋鶏の作り方|4つの工程

油淋鶏は、以下の4つの工程で作っていきます。

  1. ネギダレを作る
  2. 鶏もも肉の下ごしらえをする
  3. 下ごしらえした鶏もも肉を油で揚げる
  4. 器に盛り付けてネギダレをかける

それでは、実際の調理工程を順番に紹介します。


① 油淋鶏のネギダレづくり

  1. 長ネギをみじん切りにする。
  2. タレ用の調味料を全て混ぜ合わせる。
  3. 混ぜ合わせた調味料に長ネギみじん切りを加える (タレの完成)。
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山西老陳酢は、一般的なお酢とは違った独特の熟成香とコクがあり、酸味だけではない複雑な風味を感じます。香ばしさや穀物を熟成させたような深みのある香りも特徴的です。

実際に使ってみると、個人的には後味に少しクセのある苦みのような風味も感じました。そのため、たくさん入れて酸味を効かせるというより、独特の香りやコクを加える感覚で使うのがポイントだと思います。

今回のネギダレでは醤油や砂糖などの調味料と合わせ、最後にみじん切りにした長ネギを加えました。山西老陳酢は風味がかなり個性的なので、使う量は好みに合わせて調整してみてください。

油淋鶏のタレの写真。お酢や醤油、砂糖などで作ったタレと、みじん切りにした長ネギ。

② 鶏もも肉の下ごしらえ

  1. 鶏肉の下味つけ用の調味料を全て混ぜ合わせる。
  2. 鶏もも肉を一口大サイズに切り、余分な水気を軽く拭き取る。
  3. 鶏もも肉を器に移す。
  4. 鶏もも肉に下味つけ用調味料をかけて、調味料が馴染むまで揉む。
  5. 鶏肉を10分ほど置く。
  6. 器を2つ用意して、片栗粉と小麦粉を入れる。
  7. 下味をつけた鶏肉に片栗粉をまぶし、さらに小麦粉もまぶす (鶏肉の下ごしらえが完了)。
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下味用の調味料を加えたら、鶏肉全体にしっかり馴染むように揉み込みます。揉み込んだあとは、味を馴染ませるために10分ほど置いておきました。

下味を付けた鶏肉に片栗粉と小麦粉をまぶした状態。
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下味をつけた鶏肉には、片栗粉、小麦粉の順番でまぶしていきます。鶏肉の表面全体に粉がつくように、ひとつずつ丁寧にまぶしました。

全体に衣をつけたら、鶏もも肉の下ごしらえは完了です。次は、下ごしらえした鶏肉を油で揚げていきます。


③ 下ごしらえをした鶏もも肉を油で揚げる

油が入った深めのフライパンの写真。これから鶏肉を揚げる。

深めのフライパンにサラダ油を注ぎ、中火で加熱します。

油の温度は170〜180℃程度が目安です。

調理用の温度計がある場合は、温度を確認しながら調節すると分かりやすいです。温度計がない場合は、乾いた菜箸を油に入れ、箸先から出る泡の様子を目安にします。

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170〜180℃程度になると、菜箸を入れたときに箸先から細かな泡が絶え間なく出てきます。今回はこの状態を目安にして、鶏肉を揚げました。

鶏肉を油で揚げている写真。油淋鶏用の鶏のから揚げ。

油が170〜180℃程度になったら、下ごしらえした鶏もも肉を入れて揚げていきます。

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鶏肉を一度にたくさん入れると油の温度が下がりやすくなるため、数回に分けて揚げるのがポイントです。

油淋鶏に使う鶏のから揚げを揚げている写真。こんがりとした色に揚がってきている様子。

ときどき菜箸で鶏肉を裏返しながら、表面がこんがりときつね色になるまで揚げていきます。

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衣がこんがりと色づき、表面がカリッと揚がってきたら取り出すタイミングです。

油淋鶏に使う鶏肉の写真。油で揚げた鶏肉と、揚げる前の鶏肉。
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揚げた鶏肉はトレーなどに移して、余分な油を切ります。トレーがない場合は、キッチンペーパーを敷いた器などでも大丈夫です。

揚げたての鶏のから揚げ10個の写真。油淋鶏用。
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同じ手順で残りの鶏肉も揚げたら、油で揚げる工程は完了です。


④ 揚げた鶏肉に作ったタレをかければ完成

揚げた鶏肉を器に盛り付け、最初に作っておいたネギダレをたっぷりとかけます。

鶏肉全体にネギダレをかけたら、中国黒酢の山西老陳酢を使った油淋鶏の完成です。

中国黒酢で作った油淋鶏を食べてみた感想

白い花柄の器に盛り付けた油淋鶏の写真。

完成した油淋鶏を実際に食べてみました。

鶏肉には醤油やにんにく、しょうがなどで下味をつけているので、唐揚げ自体にもしっかりと味がついています。

そこに長ネギをたっぷり加えたネギダレをかけることで、醤油の風味や甘酸っぱさが加わり、唐揚げだけで食べるのとはまた違った味わいになりました。

特に今回印象に残ったのが、ネギダレに使った山西老陳酢です。

一般的なお酢とは違った独特の熟成香やコクがあり、油淋鶏のネギダレにも中国黒酢ならではの風味を感じました。

山西老陳酢はかなり個性的な風味なので好みは分かれるかもしれませんが、いつもの油淋鶏とは少し違った味を楽しみたいときには、試してみるのも面白いと思います。

アップで撮影した油淋鶏の写真。

油淋鶏とはどんな料理?

ここまで中国黒酢を使った油淋鶏の作り方を紹介してきましたが、そもそも油淋鶏とはどのような料理なのでしょうか。

ここからは、油淋鶏の読み方やどこの国の料理なのか、発祥などについて紹介します。

油淋鶏の読み方は「ユーリンチー」

「油淋鶏」の読み方は「ユーリンチー」です。

油淋鶏は、揚げた鶏肉に長ネギやしょうが、酢などを使ったタレを合わせて食べる料理として、日本でも中華料理店や家庭料理などで親しまれています。

「油淋鶏」という漢字だけを見ると読み方が分かりにくいですが、「ユーリンチー」という名前なら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

油淋鶏はどこの国の料理?

油淋鶏は、一般的に中国料理として知られています。

日本では、衣をつけて揚げた鶏肉に、長ネギなどを加えた甘酸っぱいタレをかけるスタイルの油淋鶏をよく見かけます。

ただし、油淋鶏について詳しく調べてみると、その由来については単純に説明できない部分もあるようです。

油淋鶏の発祥は?

油淋鶏の発祥については、ひとつの説に断定するのは難しそうです。

中国の広東省が発祥と紹介されることもありますが、油淋鶏の由来そのものについて検討した研究もあります。

2017年に日本国際情報学会誌『Kokusai-Joho』に掲載された「謎の中華料理 油淋鶏」では、中国における油淋鶏の実態や、日本で知られている油淋鶏がどのように成立したのかについて調査・考察されています。

そのため、「油淋鶏は中国の特定の地域で生まれ、そのまま日本へ伝わった料理」と単純に断定するのではなく、発祥や日本への伝来については不明確な部分も残っていると考えておくのがよさそうです。

中国と日本の油淋鶏には違いがある?

日本で「油淋鶏」というと、衣をつけて揚げた鶏肉に、長ネギなどを使った甘酸っぱいタレをかける料理をイメージする方も多いと思います。

一方、「油淋」という言葉は、料理の仕上げに油をかけたり、食材に油をかけながら加熱したりする中国料理の調理法とも関係しています。

そのため、日本で広く知られている「鶏の唐揚げにネギダレをかける油淋鶏」と、中国料理における「油淋」という調理法には違いがみられます。

油淋鶏について調べてみると、中国料理をルーツに持ちながら、日本で現在知られている形へと定着していく過程には、まだはっきりしていない部分もあるようです。

中国黒酢とは?今回使った山西老陳酢について

今回の油淋鶏では、ネギダレに中国黒酢の「山西老陳酢(さんせいろうちんす)」を使用しました。

中国には穀物などを原料にしたさまざまな伝統的な醸造酢があり、地域や原料、製造方法などによってそれぞれ異なる特徴があります。

ここからは、今回使用した山西老陳酢を中心に、中国黒酢について簡単に紹介します。

中国黒酢とはどんなお酢?

中国では、穀物を原料にしたさまざまな醸造酢が作られています。

日本では色の濃い中国のお酢をまとめて「中国黒酢」と呼ぶことがありますが、地域によって使用する原料や製造方法などに違いがあり、それぞれ異なる風味を持っています。

そのため、中国黒酢といってもすべて同じものではありません。

今回、油淋鶏のネギダレに使用した「山西老陳酢」も、中国で作られている伝統的な醸造酢のひとつです。

山西老陳酢とは?

山西老陳酢(山西老陳醋)は、中国・山西を代表する伝統的な醸造酢です。

主な原料には高粱(コーリャン/ソルガム)が使われ、発酵や加熱、熟成など複数の工程を経て作られます。

こうした原料や製造工程は、山西老陳酢特有の色や香り、複雑な風味を生み出す要因になっています。

今回実際に油淋鶏に使ってみても、一般的なお酢とは違った独特の熟成香やコクを感じました。

山西老陳酢以外にはどんな中国黒酢がある?

中国には、山西老陳酢以外にもさまざまな伝統的な醸造酢があります。

代表的なものとして、山西老陳醋、鎮江香醋、保寧醋、永春老醋などがあり、「中国四大名醋」として紹介されることがあります。

同じ中国の伝統的なお酢でも、作られる地域や使用する原料、製造方法などには違いがあります。

たとえば、今回使用した山西老陳酢では高粱が主な原料として使われるのに対し、鎮江香醋などでは米を原料に使用します。

中国のお酢を使って料理を作るときは、それぞれの特徴を比べながら使ってみるのも面白いと思います。

中国黒酢を使って油淋鶏を作ってみた|まとめ

今回は、中国黒酢の「山西老陳酢」を使って油淋鶏を作ってみました。

山西老陳酢をネギダレに加えることで、一般的なお酢とは違った独特の熟成香やコクが加わり、中国黒酢ならではの風味を楽しめる油淋鶏に仕上がりました。

山西老陳酢はかなり個性的な風味を持つお酢なので、使用する量は好みに合わせて調整するのがおすすめです。

また、油淋鶏について調べてみると、一般的には中国料理として知られているものの、その発祥や日本へ伝わった経緯については、はっきりしていない部分もあることが分かりました。

日本でよく見かける「揚げた鶏肉にネギダレをかける油淋鶏」と、中国料理における「油淋」という調理法の違いを知ると、普段何気なく食べている油淋鶏も少し違った視点で楽しめると思います。

いつもの油淋鶏とは少し違った味を楽しんでみたい方は、中国黒酢を使った油淋鶏もぜひ試してみてください。